・Parallels Desktop 26 for Mac について
Parallels Desktop 20 for Mac の後継に当たりますが, OS や他の製品と合わせるべく 26 のバージョン表記に統一されました。 発売は OS の公開前でしたが macOS Tahoe 26 にも対応しています。 Parallels Desktop 13 for Mac な頃と異なり, 現在の Parallels Desktop は有料のサブスクリプション制が基本になっています。 Pro が完全なサブスクリプション制なのに対して, Standard では「アップグレード不可」という制限付きながら買い切りも選択が可能です。 一番影響の大きそうなのが仮想 CPU (vCPU) のコア数制限で, Standard では 4 つまでとなっています。 次に大きいのは「同時に 1 つのゲストしか起動できない」という点でしょう。
あと, ARM 版 MacBook では ARM 版 OS しか使えなくなったのが, 限りなく大きなデメリットとなってしまっています。 まだまだ ARM 版 Windows の制限は大きいので…。 (^^;) macOS や Ubuntu などのゲストでも, Wine を使うためのハードルが数段上がりましたし…。 その一方で, DirectX 11.0 な 3DMark11 も動作したりと, 下手な現行 Wimndows PC より対応度が上だったりもします。 少なくとも, 手持ちの HP Pavilion Aero 13-bg や ASUS Vivobook 14 X1407QA では 3DMark11 は動作しません。 (後者は DirectX 9.0c レベルすらアウト)
・ホスト環境等
2025 年 12 月に MacBook Air 13" (M4 2025) へ更新しています。 流石に MacBook Air 11" (Mid 2012) を買ってから 13 年半なので, いい加減更新せざるを得ませんでした。 (笑) 256 GB モデルを買うか 2・3 時間悩んでいる間に在庫切れとなってしまいましたので, SoC が Apple silicon M4 (10 CPU, 10 GPU), メモリーが 16 GB, そしてストレージが 512 GB なモデルを選択しています。 下手な x86 系 CPU より描画すら速い M4 ですから快適な使用が可能となっています。
OS は購入時は macOS Sequoia (10.15) でしたが, 初期設定後の更新チェックで macOS Tahoe 26 へ上がっています。 上のほうで書いたとおり, ARM SoC となってしまったのが大きな違いとなっていて, こと Parallels Desktop を使用するにあたっては, ある意味これまでの環境とは比較不可能な別物と言えるでしょう。 システム要件は x86 系 CPU は ともかく, ARM 系では M1 以降の Apple silicon が基本となっていましたが, MacBook Neo 登場により Apple Silicon A18 Pro も正式に対応が謳われています。 もっとも, 「何もしなくとも使えてしまいましたぁ~」というのが実情ですけれども…。 (^^;)
使っているのが Pro 版だからかもしれませんが, Parallels Desktop 26 Pro と VMware Fusion 25H2u1 でのゲスト同時実行は可能でした。 これが Parallels Desktop 13 for Mac の頃だと, Standard 版では PC エミュレーター (PD) 側のチェックにより実行を拒否, 起動はするもののハング…といった現象が発生しているところです。
・ゲスト PC 環境
ARM 版 OS なので ACPI ARM64 な環境が構築されています。 手持ちのホストだと, 自動設定では 6 コア CPU 設定となり, それ以上も可能ですが, Standard 版では 4 コアまでの制限が課せられます。 因みに A18 な MacBook Neo で Standard 版を使うと, 自動では 2 コアが設定されます。
Pro 版の場合は最大 16 個まで指定できるようなのですが, 通常は 1/2/4/6/8 の選択肢が表示され, 公式でも謳われているとおり自動設定が推奨されています。 メモリは最大 128 GB まで指定可能ですが, ホストの半分が推奨・自動設定値となります。 特に問題なければ自双方とも動にしておくのが無難でしょう。
新たに作成した Windows 11 Home 25H2 (ARM) ゲストの構成を挙げておきます。 VMware のように あれこれホストのデバイスを云々…といったものが存在しない子から, 実機と同様の比較的素直な構成になっています。 ただ, 昨今の PC や Mac は あれこれ周辺機器的デバイスが増えていますので, その分ゴミ的なものの増加を含めて煩雑になっていますね。 (^^;)
ストレージが SATA 接続の SSD になっている辺りは古臭さを感じてしまいますが, 実際の動作に影響するわけではないので, 気にする必要はないでしょう。
Parallels Desktop 7 以降では, ホストの Web カメラやプリンターが そのままゲスト側で使えたりするのですが, その辺りについては確かめていません。 そもそも Mac 用のプリンターを用意していませんし。 (^^;; >印刷は Win で行う
・ゲスト OS
ARM 版 OS しか使えませんので, Windows 系で使えるのは必然的に Windows 11 のみとなってしまいます。 Ubuntu も ARM 版はベンダー供給のみが基本ですので, ずいぶん使い辛くなってしまいました。 x86 なバイナリを使う手段は残されているもののハードルが数段上がってしまいましたので, 悪い言い方をすれば「x86 環境用としては終わってしまった」と言えるかもしれません。
Windows 11 辺りは自動でインストール可能なように環境が用意されていますが, それだと Pro 版決め打ちとなりますので, Home 版を使いたいのであれば, 別途自身で ISO イメージなどを用意する必要があります。 Pro 版インストール状態から Home 版ライセンスへの変更・購入が可能なのかは, 試していないので判りません。
自身がインストールしたゲスト OS は こんな感じです:
Windows 11 Home (ARM) と macOS Tahoe 26, そして Ubuntu 25.10 なので, 全て ARM 版なことを除けば, Parallels Destop 13 for Mac 時代までと同じ面々ですね。 (笑) 今後 macOS と Ubuntu ゲストに Wine 環境を構築するのが課題となります。 場合によっては Server 版の Ubuntu 24.04 LTS を使うことになるかもしれません。
Windows 10 のサポートが終了したことから, Windows ゲストについては ARM 版の Windows 11 のみに対応する状況となっています。 x86 のエミュレートを行う必要があるため Windows PC に比べて 6~7 割の速度に留まりますが, 同じ ARM 版 OS となる Snapdragon X シリーズな PC 相手であれば 8~9 割の速度を叩き出しますので, 十分と言えるでしょう。 Rosetta 2 の実装終了が決定したのに伴い, 今後は ARM 版 Windows しか選択肢のなくなった辺りは辛いところと言えそうです。
Parallels Desktop では元々 OS X (macOS) ゲストの実行が可能でしたが, PD8 以降では, ホストのリカバリー領域から OS X ゲストの作成を行うことが可能です:
左画像は作成した macOS Tahoe 26 ゲストを起動したところです。 ゲストという制限以外はホストと全く同じように使えますので, ライセンス的にクリアーできるのであれば, ソフト開発辺りの動作確認用などに使えるでしょう。 なお, 作成される OS は その時点のホスト環境に依存します。 手持ちの MacBook Air 13" は出荷時が macOS Sequoia でした。 しかし, 初期設定と ほぼ同時に Tahoe 26 へアップグレードされていますので, ホストのリカバリー領域から作成されるゲストの OS も Tahoe 26 となっています。
一方の右画像は Ubuntu 25.10 です。 x86/x64 版と異なり, ARM 版はディストリビューターやベンダーからの供給が基本で, 一般的な公開は行われなくなりました。 そのため使える版の限られるのが意外と大きな制限になってしまっています。 OS が使えたとして, その環境で使える Wine を用意するのが更なる障害となります。 これまでのように お手軽に環境を整えるとは行かず, 手間を考えれば Windows ゲストを使ったほうが よほど話は早いでしょう。
Windows & Linux 版と異なり, Mac 版では早くから Direct3D への対応化が行われていて, 5.0 からは Windows Vista 以降での WDDM 版ドライバーと Aero にも対応しています。 Parallels Tools を導入しない場合は VESA 3.0 相当の SVGA 表示となりますが, 対応 OS であれば普通は導入することになるでしょう。 その後, Parallels Desktop 8 で DirectX 10 への対応化 (ただし 8 では試験的実装), 更に Parallels Desktop 15 からは DirectX 11 にも対応しています。
Direct3D (DirectX 含む。) の動作を OpenGL でエミュレートした上でホストに描かせている辺りは, 他の PC エミュレーターと同じですが。 ホストの OS が放っておいても必要とする OpenGL の版に対応している…ということで, 特に言及はされていません。 ゲスト側については Windows 7 以降であれば DirectX 11 と OpenGL 4.1 に, Linux 系や Mac OS X についても OpenGL 4.1 に対応しています。
Parallels Desktop 6 以降では仮想 GPU が PCI Express 接続のチップとして実装されていましたが, 少なくとも 26 では外れて別扱いになっているようですね。 もっとも, 普通に AGP メモリーが使えますし, 速度に影響が出ているわけでもありませんので, 気にする必要はなさそうですけれど。 (^^;)
PD 26 の再現性は かなり高くて, 下手な現行の Windows PC より DirectX 対応ソフトが動作します。 例えば手持ちの HP Pavilion Aero 13-bg はドライバー段階で DirectX 11 に対応していず, 右上画像の 3DMark11 は動作しません。 また Snapdragon X な ASUS Vivobook 14 X1407QA は DirectX 9.0c すら動作しない始末です。 もっとも, 後者は「無印 X」なのが理由だとは思いますけれど…。 (^^;)
・サウンド
High Definition Audio デバイスとして認識されます。 入出力それぞれでホスト側のデバイスを指定できますので, MacBook Air では無理ですが, 入力を使い分ける…といった使用法は有るかもしれません。 Parallels Desktop 7 以降では 7.1 チャンネルのサラウンドに対応していますので, ホストさえ対応していればゲスト側の音環境も向上させることが可能です。
・ネットワーク
Parallels VirtIO Ethernet Adapter として認識されます。 オーディオやディスプレイ周りもそうですが, ARM 版 OS なので, これまでの Intel CPU なハードウェア構成と毛色が異なっていて, 慣れるまでには少々時間を要しそうです。 もっとも,何の問題もなく動作してくれるのですから, それで良い訳ですけれども…。
・HDD
VMware と同様に複数のスナップショットが作成可能となっていて分岐も行えます。 肥大化は VirtualBox 同様激しいようですので, こまめに整理したほうが良いでしょう。 この辺りは大昔の Windows 版と同様のようですが, こちらのほうが処理は速いようです。 タイムマシーンや macOS の自動保存には注意が必要かもしれません。 ストレージ空き容量への浸食率が半端ではありませんので。 (^^;)
・Parallels Desktop 26 のインターフェイス
Parallels Desktop 7 の頃から大きくは変わっていませんが, Windows ゲストでのトースト通知がホストの通知センターに記録されるようになっています。 トースト通知自体は当該ゲストで表示されますが, 右画像のとおり表示された通知の履歴がホストの通知センターに記録されます。 それ以外については, PD7 の段階で Mission Control や Launchpad への対応化が行われ, Windows ゲスト上からも Mission Control や Launchpad の使用が可能となっています。 惜しむらくは対応に制限の掛かっている点でしょう。 Launchpad については ちょうど VMware Workstation 7.1 のダイレクトアイコンと同じで,「後からインストールしてホスト側のメニューへ登録されたアプリ」しか表示されませんし, Mission Control についても, 個別選択は行えるものの 1 ゲストを一纏めとした MDI の扱いとなってしまっています。
もっとも, この辺りはコヒーレンス表示や Mission Control を多用する人以外は気にならないことでしょう。 それを除けば Parallels Desktop 6 の頃から大きく変わっている部分はありません。 ゲスト PC の環境設定画面やウイザード等あれこれと手は入っていますが, macOS の お作法に従った点が主で, 操作に戸惑ったり違和感を覚えたりすることは無いと思います。
右上画像ですが, 現行の macOS Tahoe 26 では通知センターの通知が「それ」と判りづらいので, macOS High Sierra + Parallels Desktop 13 for Mac 時代のものに御登場願っています。
Mission Control の制限については以下のような感じです:
左画像のとおり Windows 11 ゲスト上で『千の刃濤、桃花染の皇姫』と LHMelt が動作しているわけですが, ここから Mission Control を呼び出すと, 右画像のとおり この 2 つが一纏めで表示されてしまいます。 VMware Fusion 5 の頃のように, 『千の刃濤、桃花染の皇姫』と LHMelt が別々に表示されて欲しいところです。 ユーザーが期待するのは特にコヒーレンス表示では後者 (Fusion の動作。) だと思いますので, 可能なら改善して欲しいところ…なのですが, 改善されることは有りませんでした。 それどころか VMware Fusion でも いつの間にか行えなくなっていますし。 (^^;)
VMware での Unity モードに当たる Parallels Desktop 26 のコヒーレンス表示ですが, Windows XP ゲスト辺りですと VMware と そっくりなものとなるのですが, Windows Vista 以降のゲストでは, ユーザーが指定しない限りゲスト側のタスクバーが表示されることはありません:
タスクバーが存在しないので, Doch 若しくはメニューバーに隣接する形でスタートメニューが表示されます。 スタートメニューの存在しない Windows 8 ゲスト辺りでは, スタート画面が Doch を除いた領域一杯にフルスクリーン相当で表示されます。 3 本指左右スワイプや Mission Control で簡単に切り替えを行えますから, Windows 8 ゲストについては頭からフルスクリーン表示を行ったほうが良いかもしれませんね。
ただ, 高解像度画面なホストだからなのか, メニューやソフトが「ホストの画面全体をゲストの解像度相当」と見なして表示を行ってしまう不具合が, 現行環境で発生しています。 画像のとおり 本来のサイズである千桃の表示に対して, LHMelt やスタートメニューのサイズが あまりにも大きくて気持ち悪いです。
不具合はともかく, 表示モードにかかわらず, Doch 上にはゲスト用のスタートメニューフォルダーが作成され常駐します。 ここから実行した場合は必ずコヒーレンス表示となります。 VMware のダイレクトアイコンの 1 歩先を進んでいる…と言えそうです。 VMware 辺りと異なり, コヒーレンスモードで描画が遅くなることは ありません。
その他には PD6 の頃から存在する Modality モードがあります。 今回 Picture in Picture と名称が改められましたが, 機能自体は殆ど変わりません:
このモードを有効とすると右画像のようにゲストを自由に好きなサイズで表示させることが出来るようになります。 あくまでも表示サイズが変わるだけでゲスト側デスクトップのサイズが変わるわけではありません。 FHD なら FHD のままです。 さらに, 別のウインドウをアクティブにすると (通常は) 透過表示となり, そのままアクティブ化したウインドウ (この画像なら後ろに隠れたウインドウ。) の操作が行えます。 サイズを小さくしても, 大きい場合と何ら変わることはありません。 もっとも, 当該ゲストの操作はし辛くなるかもしれませんけれど…。
ゲストを参照しながら何らかのドキュメントを作成したり, ゲストをガジェットのノリで BGM や BGV 代わりに表示させたりしたい場合に威力を発揮することでしょう。 その場合は右画像のように透明度を若干下げたほうが見やすいかもしれません。
スナップショットについては, 複数ショットの保存による世代管理や分岐が行えるようになっています。 (この画像では分岐を行っていませんけれど。) 世代管理を利用して新環境のテストを行ったり, 分岐等を行って一部のみ異なった環境でのテストを行ったり…といった用途に使えます。
・Parallels Access
Parallels Desktop 8 の頃までは iPad や iPhone から Windows ゲストをリモート操作するための Parallels Mobile が使用可能となっていましたが, その後 Paralles Access と名称の変わったのはともかく, サーバー側ソフトが有償となってしまい Parallels Desktop に付属しなくなりましたので, PD としては この機能が削除されたと言えそうです。